2日目の朝

翌朝、けたたましい豚たちの叫び声で目が覚めた。まるで殺されかかっているような断末魔の叫びのような鳴き声だ。いったいこれは何だろうと考えているうちにまたまた眠ってしまった。

 

6時半頃にごそごそと起きだすと、すでにビットが朝御飯を作っている。昨夜はチーフと二人で遅くまで酒盛りをやっていた様子なのに、ちゃんと早起きして黙々と料理している姿には思わず感心してしまう。自分の仕事には忠実な男らしい。

 

 「コーヒーでも紅茶でも好きな物を飲んでいいよ」と言われたので、側にあった竹を切って作ったカップにコーヒーを入れ外へ出てみた。朝の景色を眺めながらコーヒー片手に周囲を散策してみる。早起きの子豚たちがそのあたりを走り回り、犬はのそのそと寝ぼけたような顔でうろうろしている。ここでは豚が犬のように元気に振る舞い、犬は猫のような愛想のない生活態度である。それにしても、犬たちはみな例外なく痩せていてあばら骨が浮き出ているが、餌も満足に与えられないのだろうか。

 

他の家も朝御飯の支度をしているのだろう。屋根の上には煙がたなびいていて実にのんびりした光景である。

 

 

10 いよいよ山場へ